横浜市における「要除去認定マンション」の実例

横浜市における「要除去認定マンション」の実例

最も具体的な事例として、横浜市南区井土ヶ谷下町にあった下之前住宅が挙げられます 1

  • 名称と所在地: 下之前住宅(現:プロミライズ横浜井土ケ谷)、神奈川県横浜市南区井土ヶ谷下町 1
  • 認定理由: 1968年竣工の建物で、築40年以上が経過し、漏水などの老朽化が目立ち、耐震性能不足が主な理由でした 3。東日本大震災を受けて、住民間で修繕か建て替えかの議論が本格化しました 2
  • その後の流れ: 横浜市マンション建替促進事業を活用し、横浜市住宅供給公社のコンサルティングを受けながら建て替えが進められました 1。2020年6月に「プロミライズ横浜井土ケ谷」として竣工し、横浜市内初の市制度を活用した建て替え事例となりました 1。建て替え前は住戸16戸でしたが、建て替え後は30戸に増加しています 1

また、2019年には横浜市建築局が公表した耐震診断結果により、綱島街道沿いの複数の建物が耐震性の点で問題があるとされました 4

  • 対象と所在地: 綱島街道沿いにある1981年以前に工事が着工された一定規模の建物6カ所のうち、以下の5カ所が「倒壊し、又は崩壊する危険性が高い」あるいは「倒壊し、又は崩壊する危険性がある」と判断されました 4
    • 日吉4丁目と箕輪町2丁目のマンション2カ所 4
    • 綱島東2丁目の長福寺交差点近くの建物2棟 4
    • 綱島東1丁目の綱島交差点付近のビル2棟 4
  • 認定理由: 1981年以前の旧耐震基準で建設されたことによる地震への脆弱性 4
  • その後の流れ: これらの建物が具体的に「要除去認定」を受けたかどうかの明記はありませんが、耐震性不足と診断されたことは、要除去認定の基準に該当する可能性を示唆しています 5。横浜市では、耐震診断で倒壊リスクがあると診断されたマンションの約85%がいまだ耐震改修工事を行っていないことが公表されており、これは住民間の合意形成の難しさが最大の要因とされています 4。しかし、横浜市ではマンション耐震化支援事業も行われており、耐震改修の事例も存在します 4

その他、マンション建替え等の円滑化に関する法律に基づき、容積率の特例が適用された日本初の事例としてメゾン三田が挙げられます 8。これは1968年に建設され、要除却認定を受けることで建て替えが実現し、大幅な延べ床面積の増加を達成しました 8

これらの事例は、横浜市における老朽化マンションが抱える課題と、それに対する市の支援策や、区分所有者による建て替えの取り組みを示しています。

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